うんちを漏らし損ねてしまった

『この世には2種類の人間がいる。それは、うんちを漏らす人間と漏らさない人間である。』ニーチェ

 

有名なニーチェの言葉ですね。教養のある皆さんならご存知のことかと思います。

突然ですが、うんちを漏らすことは自分の意思で行うことは出来ません。漏らしたくて漏らしたのではそれはただうんちをしただけです。なのでうんちを漏らしてしまうのはとても特別なことです。選ばれた人間しか、それを成し遂げることは出来ません。僕はそれを成し遂げることが出来ませんでした。僕は凡人だったようです…。神からは選ばれなかったようです…。とても…残念です…。

 

僕は元々うんちやおしっこを我慢してしまう体質なんですが、それが時に僕を襲うんですよね。おしっこなんかは割と膀胱破裂しちゃうんじゃないかな?っていうくらい我慢します。それで昔1回尿道炎になったこともあります。みんな気をつけろよ。だいたい僕は胃もあまり元気じゃないんですよね。昔から。すぐ胃腸炎になってましたし。

その日は友達と帰っていたのですがいつも通りお腹が痛かったんですよね。もうちょっと我慢できるかな?と思ってたんですけど、なんか急にヤバくなってきて「これは公衆便所を使うしかない!!!」ってなったんです。僕は公衆便所嫌いなんですよね。何故かってそれは汚いからです。臭いからです。和式だからです。僕はウォシュレット派なんです。和式は嫌なんです。でも、それでも使うことを覚悟するくらいヤバかったんです。で、デカめの公園の公衆便所に入ったんですよ。もはや男女の区別もないような。で、まあまだ明るい時間だったんで電気つける時間を省略しちゃおう!と思ったんですけど、個室に入ったら窓が一切ないんですよね。おかしいですよね。普通はありますよ、だって臭いもん。で、「え、くらい!」ってなって急いで外に出てスイッチを探したんですよね。でなかなか見つからなくてようやく見つけた時には僕の肛門は悲鳴をあげていました。うんちを我慢したことがある人なら誰しもわかる事だと思うんですけど、うんちって我慢しすぎると肛門から勝手に出ようとするんです。自分ではまだだ!まだだ!と思ってもうんちくんは肛門からこんにちは!こんにちは!と外の世界に顔を出したがるんです。そして僕は左手でこんにちは!するうんちくんを押さえつつ、右手で必死にベルトを外しました。そしてズボンとパンツを下げ、しゃがみながらうんちくんを外の世界に連れ出してあげました。「間に合った…。」と安心していましたが、あれ?おかしいぞ?と。便器のなかにうんちくんがいないんですよ。あれれ〜?どこに行っちゃったのかな〜??と辺りを見回してみると、便器の後ろの床にうんちくんが鎮座していました。鎮座、していました。ドープネスですよ、まったく。で、そのまんま振り返ったらドアの鍵閉めてなかったんですね。これ見られたらヤバすぎる、さっさと済まして何も無かったかのように出よう!とまず鍵を閉めてお尻を拭こうとしました。すると、ま、ありませんよね。トイレットペーパーなんか。あるわけないんですよ。壁中に「りりか死ね」とか「スク水だいすき」とか書いてあるような底辺公衆便所にトイレットペーパーなどあるわけがないんです。芯どころかホルダーすらなかったからなあそこ。拭かせる気ねえのかよ。軽く探してみましたけどまあ予備なんてあるわけないんで携帯で外で待ってる友達に電話しました。「トイレットペーパーが無いんでコンビニで買ってきてくれ。」と頼むと快く引き受けてくれました。優しいですね。ありがとう。数分後コンビニに着いた友達から電話がかかってきました。「4ロールセットのしかないけどどうする?」と聞いてきたので僕は「なんでもいい!なんでもいいから早くしてくれ!」と言うと「わかった!」と言って買ってきてくれました。ペーパーをもらってホルダーが無いんで手でクルクルっして巻き取りとりあえずケツを拭き流しました。問題はここからですよね。うんちどうしよっかな〜?と悩んでいたところ、いい案が浮かびました。

「これ、買ってきたトイレットペーパーをここに置いていったら善い事と悪い事の正負が丁度ゼロになるんじゃないかな?」

そうするしかなかったんです。ごめんなさい。謝ります。でも正負がゼロになったんでもはや僕は何もしてないことになってるんです。うんちもしてないことになってるんです。え?次入ってきた人にとってはマイナスしかないじゃないかって?うるせえよバーカ!トイレットペーパー無いよりマシやろうがい!てか漏らさんかっただけマシやろうがい!と。

そんなこんなでその後友達とスターバックスの新作を飲んだので人間としてはむしろプラスになったのかな?と思います。

 

あそこに放置したうんちがどうなったのかは分かりませんが数千年後に人間の糞の化石として発掘されて祖先の研究に役立つことを願っています。今が七夕にだったら間違いなく短冊に書いてます。もう12月なんで書きませんけど。ていうか放置したうんちって韻踏んでるよね。これ読んでるラッパーはメモしとけよ。使っていいからな、俺のライム。

 

追記

そのあと、事件現場を見に行ったら僕のうんちは綺麗に無くなってしまっていました。片付けてくれた人、ごめんなさいね。あと、俺がせっかく置いていったトイレットペーパーがぐちゃぐちゃになっていました。やっぱりな。ここのトイレを使う奴なんてのはろくな奴がいないんですよ。しかもなんか気持ち悪い缶詰みたいなのも置いてありました。もしや、「トイレットペーパーをぐちゃぐちゃにしちゃったけど缶詰置いていったらプラマイゼロになるんじゃ?」と思ったのかもしれません。でも空き缶だったんで全然マイナスですよ。いい加減にしてくださいね。